【重要】スポンサー会社決定の報告と今後の方針のお知らせ


1.基本方針

破産者は、破産手続開始決定の時点で、着工後未完成の物件が728件、契約締結済み未着工の物件が1458件(うち進行中が804件)ありました。当職としましては、顧客の皆様の混乱をできる限り回避するという方針のもとに、各物件の進捗状況や資材の在庫状況等を確認し、関係各所と折衝を進めて参りました。
もっとも、管財人である当職は、破産法の下で公平中立な立場で管財業務を行う職責を負っていると同時に、破産手続開始決定の時点で破産者の手元にある財産(破産財団)は乏しく、あくまで限られた破産財団の範囲内での対応とならざるを得ませんので、当職において対応できることにも自ずと限界があると言わねばなりません。
このような観点から、当職は、若干の工事を続行して引き渡しが可能となる物件については富士ハウスにおいて工事を続行して可及的速やかに顧客の皆様に物件をお引き渡しする、それ以外の物件についてはスポンサー会社の資金提供を受けた別会社で工事を続行して顧客の皆様に物件をお引き渡しすることといたしました。
具体的には、各物件を原則として当初の契約書ないし工程表記載の完成予定日によって3つに区分して下記(1)については富士ハウスにおいて工事を続行し、下記(2)(3)については、スポンサー会社の資金提供を受けた別会社との間で新たに契約を締結された顧客の皆様につきまして、別会社にて工事を続行します。もっとも、各物件によって具体的な事情が異なりますので、以下の区分に従った原則どおりの対応ができない場合もあり、その場合は個別にその旨をご連絡して適宜協議の上対応して参りますので、この点もあらかじめご理解いただきますようお願いいたします。
(1) 当初の工程表の完成予定日が平成21年2月28日までの物件(250件)
(2) 当初の工程表の完成予定日が平成21年3月1日以降の物件(478件)
(3) 契約締結済み未着工の物件(1458件(うち進行中が804件))


2.当初の工程表の完成予定日が平成21年3月1日以降の物件及び契約締結済み工事未着工の物件について(上記1(2)(3)の物件について)
着工済みで当初の工程表の完成予定日が平成21年3月1日以降となっている物件及び契約が締結済みで既に契約金(手付金や中間金を含む)を受領しているものの未着工の物件につきましては、当職は、現時点で直ちに破産法53条1項の契約解除をすることなく、履行(建築工事を行うことで建物を完成させること)ができる可能性がないか検討してきました。その理由は、契約を解除して、仕掛かり中の物件をそのまま顧客の皆様に引き渡し、顧客の皆様において別の業者を選定していただく(この場合は当初の契約と全く異なる仕様の建物となることが予想されます。)よりも、契約を履行して、富士ハウスの仕様、施工技術、施工体制を維持して、可能な限り契約どおりの仕様で建物を完成させる方が、富士ハウスと契約をしたお客様の被害の回復に少しでも役立つのではないかとの判断に基づくものです。

3.スポンサー会社による請負契約承継のスキーム
そうした中、破産手続開始決定の直後に、東京に本社のあるIT(情報技術)関連企業で企業再生事業も手掛ける下記会社から、施主の皆様の救済のために、スポンサー会社として支援したいとの申入れがありました。そこで、当職において同社と協議を重ね、平成21年2月15日、スポンサー契約書を調印いたしました。

会社名: 株式会社スピードパートナーズ
本店所在地: 東京都中央区日本橋2丁目12番6号 ムツミビルヂング5F
代表取締役社長: 白石伸生
URL: http://www.speedpartners.com/

同社は、IT関連企業で企業再生事業も手がけており、中堅ゼネコンで経営再建中の元東証1部上場の新井組支援に名乗りをあげたスポンサーでもあります。

同社との間では、以下のようなスキームで進めることを確認しております。
①スポンサー会社が上記1(2)(3)の合計1936件の工事請負契約につき、新たに契約を締結することを施主の皆様に働きかける。
②建築工事を行う主体としてスポンサー会社が別会社を設立し、スポンサー会社は別会社に資金を出し、かつ経営を行う。
③別会社で工事を施工するために必要な富士ハウスの旧社員(経営責任のある者を除く)を雇用し、実際の工事は、原則として、富士ハウスの設計に基づき、富士ハウスの工法及び体制でかつ基本的に従前の富士ハウスの取引業者に依頼して行う。
④別会社は、建築工事を再開または着工するのに必要な工事代金につき再度見積を行い、お客様に対し、2月25日ころまでに工事代金の新しい見積額を提示する。
⑤上記工事代金の見積額によっては、お客様に負担をかける可能性が大きいため(特に、工事着工前後に高額の前受金を支払っているにもかかわらずそれ程工事が進んでいない場合や、着工前にもかかわらず高額の契約金を支払っている場合など)、別会社に工事を依頼するかどうかは、よく検討いただく。
⑥その結果、別会社と工事請負契約を締結いただける場合には、意向確認書を提出いただく。
⑦上記⑥を受けて、顧客の皆様と別会社との双方で合意に達した場合は、顧客の皆様と別会社との間で新工事請負契約を調印する。その際に、工事再開時期または工事着工時期を決定する。

4.破産管財人による契約解除の考え方
上記1(2)(3)の対象となる顧客の皆様につきましては、顧客の皆様が別会社と新たに工事請負契約を締結する場合であっても、あるいは条件が折り合わず工事請負契約を締結しない場合であっても、お客様の蒙った被害を少しでも回復するため、被害額を破産法54条2項に規定する財団債権にする必要から、最終的には当職において、当初の富士ハウスとお客様との契約を解除することにいたします。
当職の解除の時期は以下の①~③のように考えております。
①別会社と新たに契約を締結する場合は、別会社による契約締結の申込みと同時に、
②別会社との契約の締結を希望されないお客様については、その後速やかに(再見積もり提示後1ヶ月程度を目途に)、
③契約を締結するかしないかお客様が検討する時間が必要な場合は、遅くとも債権者集会が開催される平成21年7月13日ころを目途に、契約を解除いたします。 したがいまして、契約を締結するかしないかの判断は、平成21年6月末日ころまでにしていただくようお願いいたします。

5.財団債権の弁済率
財団債権の弁済率については、現時点では、300万円以下の部分について10%、300万円を越える部分について20%を見込んでおりますが、今後の富士ハウス所有の不動産の売却状況等により変動する可能性があります。 なお、弁済額がいくらになるかをわかりやすく説明するため、以下に計算式を例示します。

ア)財団債権が200万円の債権者
 200万円 × 0.1 = 20万円
イ)財団債権が1000万円の債権者
 300万円 × 0.1 = 30万円
 (1000万円 - 300万円) × 0.2 = 140万円
 合計 170万円

以上のような被害額が大きい程弁済率が高くなる逆傾斜配分方式を設定することには、法律上の根拠がない等、色々なご意見があろうかとも存じますが、当職としては、被害額の大きいお客様の被害を少しでも回復させたいと考えたためです。ただ、最終的には破産財団の組成額を考慮し、裁判所とも十分に協議して決定いたしますので、現時点では当職の私案とご理解下さい。
また、支払時期は現時点では未定ですが、平成21年7月13日の債権者集会以降になります。

6.出来高精算の方法及び財団債権額の算定方法
出来高精算の方法及び財団債権額の算定方法は、既に富士ハウスにおいて工事に着工しているか否か、あるいは、別会社と新たに契約を締結するか否かに関係なく、以下のように考えます。

(1)工事が着工済みで、施工済みの出来高があるお客様
出来高の査定については、富士ハウスにおいてこれまでに設備業者や施工業者及び日京株式会社に対して支払った全ての代金が記録されていますので、それを基本にして算出いたします。また、本件破産手続に伴い、不測の混乱があった現場については、個別に考慮いたします。
なお、別会社と新たな契約を締結する顧客の皆様に関する出来高の査定については、富士ハウスとの間の請負契約に基づく請負代金総額から別会社との間の新たな請負契約に基づく請負代金を差し引いた額を出来高として算出いたします。顧客の皆様ご自身で、工事を続行する業者を選定された場合も同様の取り扱いをする方針です。 そして、富士ハウスが受領している前受金と既に施工済みの出来高を比較して、出来高の方が前受金より大きいお客様については、その差額をお支払いいただくことになります。他方、前受金のほうが出来高より大きいお客様については、前受金と出来高との差額が財団債権額となります。

≪具体例1≫
富士ハウスとの契約金額3000万円
既払額2100万円
別会社との契約金額1700万円
この場合、富士ハウスとの契約金額3000万円から別会社との契約金額1700万円を差し引いた1300万円を出来高と考えます。そして既払額2100万円と出来高1300万円の差額である800万円が過払分として財団債権となります。この場合、財団債権部分に300万円を超えている部分があることから、以下の計算式により130万円を目途に管財人が返還いたします。
300万円×10%+(800万円-300万円)×20%=130万円

≪具体例2≫
富士ハウスとの契約金額3000万円
既払額2100万円
別会社との契約金額3100万円
この場合、富士ハウスとの契約金額3000万円から別会社との契約金額3100万円を差し引くとマイナスになりますが、この場合の出来高は0円と考えます。そして、既払額2100万円全額が過払分として財団債権となります(なお、代金増加分のうち出来高査定額を超過する部分の100万円につきましては、破産債権となります。破産債権につきましては、既にご案内のとおり、本件破産手続において返還できる見込みはありません。)。この場合、財団債権部分に300万円を超えている部分があることから、以下の計算式により390万円を目途に管財人が返還いたします。
300万円×10%+(2100万円-300万円)×20%=390万円

≪具体例3≫
富士ハウスとの契約金額3000万円
既払額2100万円
別会社との契約金額700万円
この場合、富士ハウスとの契約金額3000万円から別会社との契約金額700万円を差し引いた2300万円を出来高と考えます。そして既払金2100万円と出来高2300万円の差額である200万円を超過分として管財人に対してお支払いいただきます。

(2)工事着工前のお客様
 工事着工前のお客様は、出来高がないので、前受金全額が財団債権になります。
≪具体例≫
富士ハウスとの契約金額3000万円
既払額300万円
別会社との契約金額300万円
この場合、前受金300万円全額が財団債権となりますので、10%である30万円を目途に管財人が返還いたします。


以上




2009年2月17日
静岡県浜松市中区砂山町350番地
富士ハウス株式会社
日京株式会社
静岡県浜松市中区砂山町351番地の1
株式会社サニー
上記3社破産管財人 松 田 耕 治



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