【重要】工事請負契約解除申込書の趣旨および現状に関するご説明のまとめ


1.はじめに

平成21年2月6日付けでホームページに告知した「工事請負契約解除申込書の書式について」について、一部で誤解が生じているようでございますので改めてその趣旨を説明します。

2.破産法にいう双方未履行契約について
顧客の皆様と富士ハウスとの間の工事請負契約は、破産法上「双方未履行契約」です。そして、破産法53条1項は、双方未履行契約を解除するか否かは破産管財人の権限に委ねています。

3.平成21年2月28日までに完成し、引渡が可能になる予定である物件について
(1)このうち、既に告知しているように業者と資材の目処がつき、平成21年2月28日までに富士ハウスが建物を完成できる物件(その総数は250件です。)については、当職において、裁判所の許可を得た上で破産法53条1項にいう履行(建築工事の継続による建物の完成)を選択することにしました。当職が平成21年2月28日までに完成予定の物件について工事を継続するのは、当該お客様への物件の完成引渡をすることによりお客様の被害を回復することはもとより、破産財団の増殖という破産管財人の本来の職責にかなうものであり、他の財団債権者にとっても利益になるとの判断に基づくものです。その前提として、該当するお客様から個別に同意書(①工事遅延等による代金の減額請求をせず残代金を全額支払うこと、②アフター保証を受けられないことを了解すること)を得て、工事を再開することにします。先週末から、富士ハウスの営業担当者等を通じてお客様に連絡が行く手筈になっています。また、既に工事代金金額をお支払いのお客様については、原則的に追加の工事代金を請求することはありません。
(2)その一方で、工事再開にあたっては、設備業者による資材納入や現場での施工業者による作業が必要になるところ、これまでに大部分の業者の皆様から施工に協力するとの意向を表明いただいており、条件が整った現場から順次工事を再開していく予定です。今後のお客様との連絡については、富士ハウスの担当の営業社員または現場監督を通じて行います。
(3)万一お客様から工事再開の同意が得られない場合や、施工業者等の協力が得られず、どうしても工事が再開できない現場については、別途お客様と個別に協議の上、対応を検討させていただきます。

4.平成21年3月1日以降に完成予定であった物件及び工事未着工の物件について
当初の契約で平成21年3月1日以降に完成引渡をすることになっていた現在着工中の物件(その総数は478件です。)及び工事請負契約が成立し、既に契約金(手付金や中間金を含む)を受領しているものの未だ工事に着工していない物件(その総数は804件です。)については、当職は、現時点で直ちに破産法53条1項の契約解除をすることなく、履行(建築工事を行うことで建物を完成させること)ができる可能性がないか検討してきました。契約の履行が、富士ハウスと契約をしたお客様の被害の回復に少しでも役立つのではないかと考えたからです。

5.スポンサー会社による請負契約承継のスキーム
そうした中、破産開始決定の直後に、東京に本社のあるIT(情報技術)関連企業で企業再生事業も手掛ける会社から、施主の皆様の救済のために、スポンサー会社として支援したいとの申入れがありました。そこで、同社と協議を重ね、
①スポンサー会社が上記の合計1282件の工事請負契約につき、新たに契約を締結することを施主の皆様に働きかける
②建築工事を行う主体としてスポンサー会社が新会社を設立し、スポンサー会社は新会社に資金を出し、かつ経営を行う
③新会社で工事を施工するために必要な富士ハウスの旧社員(経営責任のある者を除く)を雇用し、実際の工事は従前の契約内容に従い、富士ハウスの設計に基づき、富士ハウスの工法及び態勢でかつ基本的に従前の富士ハウスの取引業者に依頼して行う
④新会社は、当職とスポンサー会社とのスポンサー契約の調印と同時に建築工事を再開または着工するのに必要な工事代金につき再度見積を行い、お客様に対し、5日以内に工事代金の新しい見積額を提示する
⑤上記工事代金の見積額によっては、お客様に負担をかける可能性が大きいため(特に、工事着工前後に高額の前受金を支払っているにもかかわらずそれ程工事が進んでいない場合や、着工前にもかかわらず高額の契約金を支払っている場合など)、新会社に工事を依頼するかどうかは、お客様によく検討していただく
⑥その結果、新会社と工事請負契約を締結いただける場合には、工事再開時期または工事着工時期を決定する
⑦再見積額を検討した結果、新会社との工事請負契約の締結を希望されないお客様については、その後速やかに(再見積提示後1ヶ月程度を目途に)当職において当初の富士ハウスとの請負工事契約を解除する
というスキームを決定しました。

6.スポンサー契約締結の時期
当初の見込みでは、スポンサー会社と2月13日ころまでにスポンサー契約書に調印した上、スポンサー会社名を公表し、直ちにお客様に再見積額を提示して、その内容を検討いただき、その結果、新会社との契約締結に同意いただいた物件については、お客様と再開または着工時期を相談の上、早ければ3月2日から工事の再開または着工ができるように手配したいと考えていました。
しかし、新会社の建設業の免許の問題で、スポンサー契約書の調印が来週以降になるため、少なくとも1週間程度は、当初の見込みより進行が遅れることになりました。 当職は、一日も早く工事再開または着工についての目途を提示したいと考えて尽力いたしますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

7.破産管財人による契約解除の考え方
上記の4ないし6の対象となるお客様については、お客様が新会社と新たに工事請負契約を締結する場合であっても、あるいは条件が折り合わず工事請負契約を締結しない場合であっても、お客様の蒙った被害を少しでも回復するため、被害額を破産法54条2項に規定する財団債権にする必要から、最終的には当職において、当初の富士ハウスとお客様との契約を解除することになります。
当職の解除の時期は
①新たに契約を締結する場合は、契約締結と同時に、
②契約を締結しない場合は、前述したように再見積書を提示後1ヶ月程度を目途に、
③契約を締結するかしないかお客様が検討する時間が必要な場合は、遅くとも債権者集会が開催される7月13日ころを目途に
と考えております。
したがって、契約を締結するかしないかの判断は、本年6月末日ころまでにしていただくようお願いいたします。

8.財団債権の弁済率
財団債権の弁済率については、平成21年2月4日付けのホームページで告知したように、現時点では、300万円以下の部分について10%、300万円を越える部分について20%を見込んでおりますが、今後の富士ハウス所有の不動産の売却状況等により変動する可能性があります。
なお、弁済額がいくらになるかをわかりやすく説明するため、以下に計算式を例示します。

ア)財団債権が200万円の債権者
 200万円 × 0.1 = 20万円
イ)財団債権が1000万円の債権者
 300万円 × 0.1 = 30万円
 (1000万円 - 300万円) × 0.2 = 140万円
 合計 170万円

以上のような被害額が大きい程弁済率が高くなる逆傾斜配分方式を設定することには、法律上の根拠がない等いろいろなご意見があろうかとも存じますが、当職としては、被害額の大きいお客様の被害を少しでも回復させたいと考えたためです。ただ、最終的には破産財団の組成額を考慮し、裁判所とも十分に協議して決定いたしますので、現時点では当職の私案と理解下さい。
また、支払時期については、現時点では未定ですが、7月13日の債権者集会以降になります。

9.財団債権額の算定方法
財団債権額については、既に富士ハウスにおいて工事に着工しているか否か、あるいは、新会社と新たに契約を締結するか否かに関係なく、算定方法の考え方は同じです。 すなわち、富士ハウスが受領している前受金と既に施工済みの出来高を比較して、出来高の方が前受金より大きいお客様については、その差額をお支払いただくことになりますが、前受金のほうが出来高より大きいお客様については、前受金と出来高との差額が財団債権額となります。工事着工前のお客様は、出来高がないので、前受金全額が財団債権になります。
出来高の査定については、富士ハウスにおいてこれまでに設備業者や施工業者及び日京株式会社に対して支払った代金すべて記録されていますので、それを基本にして算出いたします。また、破産に伴い、不測の混乱があった現場については、個別に考慮いたします。

10.お客様自ら早期に解除を強く希望される場合
これまで述べてきたように、当職は
①平成21年2月28日までに完成できる物件については工事継続を選択し、②平成21年3月1日以降に完成引渡予定の物件や工事未着工の物件については、スポンサー会社が設立した新会社との間で契約を新たに締結することで、従前の契約内容で建物が完成する方がお客様の被害の回復に役立つと判断し、破産法53条1項の解除権の行使を当分の間見合わせることにしました。
しかしながら、一部のお客様から富士ハウスの破産により一日も早くお客様の方から解除をしたいという要望も少なからずいただきました。前述したように、当職は新会社による再見積額の提示後、原則として1ヶ月程度を目途として解除をする予定ですが、お客様の事情によりそれまではとても待てないという方に対し、当職は平成21年2月6日付けホームページでお客様からの解除の申し入れを受けつけることを告知しました。
ただ、この手順による解除の申し入れは、お客様の事情により即刻の解除(イメージとしては、2月20日ころまでに解除したい場合)を強く希望される場合に、当職が合意解除に応じるという形であるため、当職は、申入書式において、前受金と出来高の差額である財団債権の放棄をお客様にお願いする旨を記載いたしました。これは、当職による解除権の行使をお待ちいただけないことに伴う個別取扱いによる混乱を防止するため、お客様に一定の不利益を甘受いただこうと考えたためです。したがって、決して当職の方から解除の申入を促したものではないことを確認いただくとともに、財団債権の放棄をしてまで即刻に解除を申し入れることが合理的かどうかお客様が十分に検討した上で対応をお願いしたいと存じます。
ただ、お客様の事情で即刻に解除を強く希望される場合であっても、当職から判断してもその事情に合理性が認められる場合や前受金と出来高との差額である財団債権額が300万円を超える場合などお客様の被害が大きい場合には、特に財団債権の放棄を求めることなく、個別に協議させていただくことにしますので、その旨お申し出ください。ただし、その場合でも、財団債権への弁済率及び弁済時期は他の方と同じ扱いになります。
また、解除を希望するものの、特に解除を急ぐ必要のない方は、破産法53条2項の破産管財人に対する催告という方法もありますので、ご検討ください。
この場合にも、当職において個別に対応させていただきます。

11.終わりに
当職は、当面の間、2月28日までの完成予定物件の工事再開とスポンサー会社とのスポンサー契約書の調印に全力を尽くします。
今後、新たな事情が生じたときは、なるべく速やかに情報を開示いたしますので、管財業務の遂行にご協力をよろしくお願い申し上げます。

以上




静岡県浜松市中区砂山町350番地
富士ハウス株式会社
日京株式会社
静岡県浜松市中区砂山町351番地の1
株式会社サニー
上記3社破産管財人 松 田 耕 治



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